イスラエル

1992年3月、大学の春休み。 中東イスラエルを約20日かけて周遊しました。 中東では前年の91年、西側諸国を巻き込んだ湾岸戦争が勃発。 戦争はすぐに終結したものの、政情不安なイメージがくすぶっていました。 私はイスラエルを、 キリストの生誕地であり、テロが危険な国という認識以外、 中東の一角にある、遠い異国の地という位置におき、 まったく馴染みのない国のままにしていました…

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地球の歩き方

大学時代、海外旅行に持ち歩いていたのが、 ガイドブックの「地球の歩き方」です。 異国の地を歩いている。 陽光を浴び、風を受け、街の匂いを嗅ぐ。 すれ違う人、人です。 目的地を変更したくて、歩を止める。 背負っているリュックを左肩からするっと胸のところにもってきて抱っこし、 右手でリュックのチャックを開けると、もわっとしたのが、鼻をつく。 リュックの生地の成分と汗の蒸す…

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卒業後

その年の3月、私は大学を卒業しました。 募る中国留学の準備に取りかかろうと、 これから節約生活もすべく、 大田区で借りていた部屋を引き払うことにしました。 行先は決まっていました。 京王線沿いの代田橋は、 当時大学生の弟が住んでいました。 9月入学の留学に合わせて、 8月末頃日本を発つ腹づもりでいた私は弟に、 それまでのかりそめの寝泊りの場所を求めたのです。 兄と…

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