街では、油を揚げたような暑さで、
玉のような汗がひかずタオルを手放せない。
中心街を散策していると、
日本の繁華街ではありえない、
目を疑う光景にでくわした。
歩道の隅で、昼寝をしている茶虎ネコだ。
一瞬、事故死を想像した。
人も車も往来が十分な白昼の喧騒をもろともしない。
ネコは地べたに、丸く肥えた腹部をたぷんと横たわらせて、
半分口を開けてすやすやと寝入っている。
午睡の悦に入っているかのように。
イヤなことをされた場所には近づかず、
その対象を強く恐れる、というネコの心理は、
人間以上だ。
歩道を行きかう人々がだれ一人としてネコに近づく様子はなかった。
無関心そうに見えるあの一人ひとりの行動が、
街にネコが自然に溶けこむ環境をつくっている。
隣接する茂みの敷地と歩道を隔てる鉄柵の隙間を覗くと、
土の地べたにエサ入れの皿4枚がなかよく並べられており、
おそらく兄弟ネコだろう、
同系色の3匹それぞれが、手やお腹をなめたり、
からだをもぞもぞさせたりして暑さをしのいでいた。
ネコに優しい上海の街並みが、
今夏一番の一服の清涼剤として、
脳裏に深く刻まれている。
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