仙台中医学講座の、年10回の講演は、
コロナ禍前までは、現地開催だった。
コロナ禍以降、講座は、都内のビルの会議室からの、
オンライン形式に切り替わり、今に至っている。
先月の余韻がある。
オンラインはオンラインだったのが、
先月だけは、現地仙台からだった。
直接現地に足を運んだのは、コロナ禍以降になる。
5年ぶりのことだ。
朝から中年男の涙腺が緩んだ。
従来は上野駅から新幹線に乗車するのだが、
先月に限っては、始発の東京駅からだった。
ホームで、新青森行き「はやて」を待っていた。
車内の清掃を終えたスタッフ7~8名全員が、
ホームに沿って、一列に並んだ。
ん?
彼らは乗客に対して、
ゆっくりと、深々と、一礼をくれたのだった。
おおっ、JR。
なんて粋なおもてなしだろう。
すぐに、側にいたインバウンドの旅行客の反応が気になった。
このような日本の誇らしさを、彼がどう受け止めたのだろうかと。
ちらっと目を横にやると、
そのうちの数名が、まるでスルーして、
ぺちゃくちゃとおしゃべりを続けていたのには、興ざめだったが。
昼前に仙台駅に到着。
改札口で現地のスタッフの出迎えを受け、
一緒に駅地下の飲食店で昼食をとった。
お勧めの海鮮丼を一口、運んだ。
う~ん。
地方の海育ちの私は、魚の味は知っている。
それが、東京に長く住んで、味が麻痺していた。
まるでネタが違っていたことに、
ある意味、大きな衝撃を受けた。
それに、値段は、東京よりも安い。
芳醇な海の旨味で頬を緩ませ、
つけすぎたわさびの辛さが相まって、
朝の涙腺の緩みの再開を覚えるのだった。
夕方無事にオンラインを終え、
帰りは駅近くの庶民的な居酒屋で、軽食をとった。
毎月仙台に来ていた頃からの馴染みの店だが、
改めて、一品一品がどれも美味しくいただけた。
東京で、ふらっと駅近の居酒屋に入って、
あれだけの食材を普通に提供するところはそうそうない。
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