24時間いつでもゴミを捨てられることだ。
とりわけ夏だろう、生ごみと同居せずにすむ。
上階に住んでいるが、ほとんどエレベーターを使わない。
階段の上り下りで運動不足の解消をし、
小さなことだが、エコに貢献する自負がある。
くるくるとらせん状に階段をかけ降りて、ゴミを捨てにいく。
一階の踊り場につくと、非常用のドアがある。
敷地に出て左側の、約30メートル先に、赤土色の集積倉庫が備わる。
カギのかかった重厚な引き戸をガラーっと開けて、倉庫に入る。
ゴミを捨て終えると、カギをかけなおしてから、
その場を立ち去るという、暗黙のルールだ。
こんな場面に、ときどき遭遇する。
ゴミを捨てに敷地に出ると、
ゴミを捨て終えたばかりの住人が、引き戸のカギをかけようとしている。
背中の住人が、私に気づくことはない。
距離があるので、少し叫ぶような声を出して私は伝える。
「閉めなくていいでーす、そのままでっ」
振り向いた住人が、ペコんと頭を下げ、
閉めたばかりの引き戸を開け直してくれる。
これとは逆の場面がある。
ゴミを捨て終えた私が、引き戸のカギをかけて、振り向くと、
ゴミをもった住人が、こちらに近づいてきていたり、すぐ側にいたりする。
「捨てます」と声をかけてくれたら、
私はカギをかけないのに。
大概の場面で、そうなる。
公衆の面前で声を出すことに、
恥じらいがある人がほとんどなのだろう。
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