一番は家族であり、そういうものの影響を受けて育ちます。
多くは忘ていますが、赤ん坊にだって、
明確な意思、好きか嫌いかの感情はあります。
感情は、人間形成と同じで、
生まれたばかりのまっさらな状態から成長していく過程で、
外部からの影響を受けとり、
徐々に肉づけされできあがっていく部分があります。
しかたがないのですが、
あとづけされた部分だから、表層的で脆い。
圧力を加えられると、
メッキのように簡単に剥がれ落ちてしまう代物です。
人間は、良くも悪くも、
その環境から離れると、
本来のものに戻ってしまうし、戻ることができます。
感情の固い芯があります。
生まれながらのもので、
どんな環境を受けても、
少々のことでは決して動かない部分です。
同じ父母をもち、
同じ環境の下で育つ兄弟姉妹それぞれが、
なぜ違っているのか、みれば、わかります。
黒々とした濁りのない瞳をもっていた遠い昔の自分がいました。
人間は必ず変われるんだ。
励ましの意味を込めて諭してくれた言葉です。
コクリとうなずきながらも、
一抹のむなしさのようなものを覚えた自分を思い起こします。