表情

表情を見て、相手がどんな人なのか、
自分とどう向き合い理解してくれるのかを判断します。

表情の多くは、目と口の動きです。
マスクをして、口の動きがまったく見えない。
声は聞けても、物足りなさがあります。

漢方相談をするにあたって、
そんなことをぼーっと考えていたら、
目は口ほどにものを言うんだ、
という短い文句がストーンと、
それは見事に降りてきたのです。

見えない口のぶんを目でカバーする。
そしたら、すぐでした。
古傷がヒリヒリ痛むような感覚があって、
階段から急に落っこちたような気分の落差。

私は目が大きい。
目は口ほど、どころじゃなくなって、
目力が強すぎて、かえってドン引きされちゃうかも。

目にはトラウマがあるのです。
二重まぶたのぱっちり目が好まれる傾向にあるとか、
それを贅沢な悩みだと感じる人がいるかもしれないとか、
けれど子供頃、自分の目を好きになれませんでした。

目のことで同級生などによく、
出目金、出目金とからかわれたことがあります。

こんな大人もいました。
自分の目ん玉をわざと大きく見開いて、
顔をぬーっと私の面前に近づけきて、この子は目が大きいね~って言って、
いま振り返るとそいつに、「このバカ野郎!」ですよ。

私も中年になり、肌が少したるんで目尻が下がってきた。
そうやって目は、ちっちゃくなっていくものなんですね。

さて、マスクをして、いい表情でいるには。
頬に緩めのたこ焼きをつくるくらいの加減で、
マスク下の口角をにいーって、するんです。
手前みそなことをいいますが、
マスクをしながら、ほのかな優しさが漂ういい顔になります。

自分に確認したんです。
これからはこれでいこうよ、そうでしょ、って。