地方の人間

地方出身の私が、東京に住んで30年余り。
東京で過ごした時間が、人生の半分以上を占めるようになりました。

毎日せかせか、悲喜こもごも過ごしています。
こうした日常の中で、
自分が地方出身の人間であることを、
強く意識することはあまりないです。

新型コロナが、夏の甲子園を中止に追いやってしまいましたね。
たいへん残念ですし、球児たちには同情します。

私は、甲子園の大ファンなわけではありません。
注目選手がいれば、試合の結果が気になる程度。

でも、甲子園の季節になると、
出身県の代表校がどこに決まるのか。
なんだか気になってきます。

そして、出場校が決まると、
「頑張れ!」と心から応援する気持ちが自然と湧いてきます。
長く住み慣れた東京よりも。

地元を離れて何十年たっても、
甲子園という夏の風物詩が、私と地元を結び付けている。
甲子園が中止と決まった今年、それを改めて思いました。

都会に住む、地方の人間にしかわからない感覚です。
普段は、空気のようなものにすぎません。
目を閉じて、胸に手を当ててみるとわかるのです。
そこにしっかりと刻まれた、強い情のようなものを。
それを「郷土愛」などと呼ぶのは、ちょっとこそばゆいのですが。

私は、これからも東京で過ごしてゆきます。
ずっと地方の人間のままで。