至福の時間

コロナ騒動で、
スポーツ・音楽などの各種イベントが、中止や延期に追い込まれています。

私が担当する仙台と大阪の漢方研究会。
今月予定でしたが、中止と決まったのは、先週のこと。
それから数日は、張りつめた糸がプツンと切れたような気持ちで過ごしました。

年10回開催される仙台の研究会は、私が担当して12年。
毎回のテーマは、年間を通して、すでに決まっています。
私はその都度、新たなレジュメを作成して、講演に臨みます。

講演のなにが、たいへんなのか。
それは人前で話すことでも、遠方の会場に足を運ぶことでもありません。
私にとって講演とは、レジュメの取り組みが8割以上を占めます。

私は、文章をまとめるのにすごく時間がかかります。
内容にこだわり修正ばかりしてしまうのと、
国語力が弱いのが原因なのだと思います。

講演が中止になったことで、
そうして苦しんでまとめつつあったレジュメが、
日の目を見ずにパーになってしまった。
そんな精神的なダメージがありました。

一方、ふわっとした解放感に心が満たされるのを感じます。
真っ新な画用紙1枚に鉛筆1本を与えられ、
「何でもいいから、お前の好きなものを描いてみろよ」
こう言われて、自由な時間を持つことができました。

教えることを考える必要がなくなり、
自分が考えたい漢方のことだけを考える時間があるのです。

考えていると、スラスラと新しい考え、発見が生まれ、
もっとなんでも描いてみたくなります。
ささやかな至福の時間です。