いまを生きる

私が中国四川省へ留学したのは、95~98年。
ちょうどインターネットが出始めたばかり頃。
手軽に海外の情報が得られる時代ではありませんでした。

なんとか情報が欲しくて、
出身大学の教授や先輩たちを頼りました。
けれど、そうした情報や経歴を持つ人には、出会えませんでした。
それどころか、「えっ漢方? それで中国?」と奇異な目で見られたことも。

それでも私は、本場の漢方を学びたいという希望を道しるべに、
深い森に分け入っていくように、中国を目指しました。

あれから、20年以上がたちました。
そして、ああ、と気づきます。
数千年の昔から紡がれてきた漢方という伝統の流れの中に、
小さな場所を持って、いまを生きる自分に。