ゲノム編集食品

涙が出ないタマネギ、血圧を下げるトマト、肉厚のマダイ─。
「ゲノム編集」技術を使った農水産物が流通されることになりそうです。

人間も含め生物の細胞内には、
親の持っている姿・形や特徴を遺伝する「DNA」という物質が、
一定の順序に配列されています。

伸びきったバネように見える二重らせん構造のDNA。
この図を初めて見たのは学生時代。
生物の教科書ででした。

ハサミのようなものでそのらせんの狙った箇所に切れ込みを入れ、
特定の遺伝を消し去ってしまったり、
外から別の配列を加えて新たな遺伝を起こさせたりする。
これが、ゲノム編集技術です。

本来自然のままに育つ動植物の、遺伝という生命の根源的なものに、
人為的操作が加わえられる。
研究者がいくら「安全」だと言っても、消費者を「安心」させることはできない。
健康被害や生態系への影響は本当に起こらないのか。
漠然とした不安が抱かれてしまうわけです。

しかし、よくよく考えてみると、
私たちは日常、自然でないものを体内に取り込んでいます。
食品添加物、残留農薬、放射線照射された食品、合成薬もそう。
こういったものを少しぐらいとっても、安全上の問題はないと考える人もいるし、
自身への、それこそ後の世代への悪影響を懸念してしまう人もいる。

消費者庁は流通に際し、
生産者らに「ゲノム編集食品」であるとの表示を義務づけないと発表しました。
問題なのは、それを食べたくないという人が食品を選べなくなるということでしょう。
消費者には「知る権利」と「選ぶ権利」があるのですから。

ちなみに私は今のところ、好んで食べるかは別として、
食べ比べをしてみたいし、
外食する場合は、気にせず食べるようにしたいと思っています。