半夏(ハンゲ)

「半夏」(ハンゲ)という名の生薬を知っていますか?

めまい、不眠、せき、はき気などに効くとされ、
「半夏厚朴湯」という漢方薬にも配合されています。

ハンゲの植物名は、「カラスビシャク」。
薬学生時代、郊外の友人宅の広い庭で偶然、カラスビシャクを見つけ、
引っこ抜いて観察したことがありました。

カラスビシャクは、サトイモ科に分類されるため、
見た目は、畑に生えるサトイモのミニチュア版といった感じ。

球根の大きさは、小玉の里芋を三回りほど小さくしたサイズになるでしょうか。
球根を乾燥させ、皮をむき、カットしたものが、一般に流通するハンゲです。

生薬問屋から入ってくる、最近のハンゲが、とてもよいのです。
例えば、果物でも、野菜でも、魚でも、
値段は同じだけど、時期や出来ばえによって、モノの質が異なることがありますよね。
生薬も、生きものですから、同じことが言えます。

よいハンゲは、おはじきのような形をしていて、ちゃんと厚みがあり、身が詰まっています。
計量皿で分量を量るときの、「パチン」という、はじける音が、じつに気持ちよい。

ちなみに、よいハンゲの色は、
真っ白な中に、ススの色が少し溶け込んだような、汚れ気味の白。
真っ白なものは、燻蒸して人工的に白くしたものだから、ダメなんです。

生薬の調剤という何気ない日常の営み。
そのほんの些細なことに、少しテンションが上がる自分。
そんな単純な自分に、自分自身が救われる気がして、がんばろうと思えるのです。