気を紛らす

気を紛らす。
辞典で意味を調べると、
「他のものに気を取られて、一時的にあることを忘れる」とある。

例え話をしよう。
ストレスにからめとられて苦しい。
気(感情)を紛らわそうと、好きな音楽を聴いた。
あるいは映画をみた。
友人と会って楽しい時間を過ごした。

苦の感情とは思い通りにいかないこと。
気が滞る状態なわけだ。
感情をそのままに、感情の一部をびよーんとちぎって、
別の空間に分身させる。

そこで、いいな、楽しいな、と思える。
感情のめぐりがよくなる。
すると、一時的ではあるけれど、ストレスのことを忘れられる。
いや、忘れるだけではない。
めぐることで、ストレスに対する耐性ができあがる。

ストレスのことを忘れても、耐性ができあがっても、
ストレスになっている、
例えば人間関係における相手側は、そのままあり続けるかもしれない。

ところが、こんな可能性が広がる。
めぐることで、相手側が良いほうに変化して、両者の関係が好転していく。

感情のめぐりというものを理解するには、空間把握能力が必要だ。
例えば、他人につられて泣くことを「もらい泣き」という。
笑うことは「もらい笑い」だ。
人は泣きたくて、笑いたくて、そうなるわけでない。
感情のめぐりが、空間を超えたものであることがわかるだろう。

感情のめぐりは、時間を超えたものでもある。
めぐることで、前へ前へと進もうとする感情がこんこんとわき出てくる。
それは、過去の挫折や失敗といったトラウマを消し去る力だ。

そこに一種の希望が見える。
過去は変えられるのだ。