これは、高揚した気分を冷ますようなことを言ったもの。
この場合の水は、熱くなった気分を冷ますためのものだから、
常温水よりも冷水を掛けてやったほうがよい気がします。
それでは、たき火の火種を消す───。
こんな場合に掛ける水は?
やはり冷水ですか?
そんなことはありませんね。
常温水を掛けたっていい。
お湯でもいい。
どんな水でも、火種を消すことができます。
冷水に触れると、神経を通して冷たさが伝わってきます。
これに対しお湯には、
温かさや熱さ(こっちの暑さも)を伝える作用があります。
常温水はというと・・・。
次のように書けば、理解しやすいと思います。
冷水、お湯、常温水の性質を順に、「寒」、「温」、「平」─としてみる。
ん? ここで、1つの疑問が生まれます。
お湯の「温」や常温水の「平」が火種の「温」を消す、というのでしょうか?
「温」を消すのは「寒」であるのが、自然な気がしませんかね。
気温や気圧などの条件によって、
感覚として伝わる表層的な水の性質は変化します。
しかし、その根本的な性質が変化することはありません。
冷水とお湯の性質が同じ「寒」であるとは言えないけれど、
お湯は少なくとも、水から派生し、冷水にも、さらには氷にも変化し得る液体です。
このため、お湯の性質は、「寒」(冷ます)という大きなカテゴリーに含まれる、
「平」に近いところの「微寒」や「凉」と言えるものなのです。