涙活

辛いこと、悲しいことがあった。
自分の思い通りにならないことがあった。
ジタバタして、大泣きして、周囲を困らせた。

涙はしょっぱいものだと、気付かされた。
頬を濡らした涙が乾き始め、
そこに、ふた筋の冷たさを感じると、
高ぶった感情も落ち着いてきて、
泣く前よりも却って、気持ちが軽くなっている。

情動の激しい揺らぎに、
自分に何が起こったのか、
訳が分からなくなっていた。

セピア色にかすむ、
幼児の頃の記憶の1コマです。

ところで、
泣くことで気持ちをすっきりさせる活動、
「涙活」が、静かなブームをよんでいるようです。

「泣ける」動画の視聴会をはじめ、
“愛”をテーマにした詩や絵本の朗読会などが、
幅広い世代の支持を得ているんだとか。

なるほど。
「泣く」という行動にともなう感情の対極から、
「喜び」や「くつろぎ」という安心感が生まれるわけですね。