「四気」は、温めかたや冷ましかたの程度によって、
「寒」「凉」「熱」「温」─の4つに分類され、
例外的に、その中間に位置する「平」という分類がなされます。
例えば、夏の野菜や果物の多くは、からだを冷やします。
これを「四気」で表すなら、
冷やしかたの強いほうが「寒」、弱いほうが「凉」です。
反対に、根菜類の中には、からだを温めるものがあり、
「四気」は、「熱」か「温」となるのです。
「四気」という概念をあやふやにして、
漢方薬を使いこなすことはできません。
漢方薬は、1つひとつの生薬で構成された、総合薬とよべるものですから。
ところで、次の2つの「例」はどれも、血流の悪い状態です。
どのような性質の漢方薬を使えばよいでしょうか?
<例1:しもやけができるほど、手足が冷たい>
<例2:軽い熱中症を起こし、血液がドロドロになってしまった>
もう、おわかりじゃありませんか?
「例1」 は、「熱」や「温」の性質の漢方薬で、
「例2」 は、「寒」や「凉」の性質の漢方薬で、
血液をサラサラにすればよいわけです。
ただし、例えば「例1」で使う漢方薬の構成生薬の「四気」のすべてが、
「熱」や「温」である必要はありません。
一部が、「寒」や「凉」であってもよいのです。
「しもやけ」の原因は、冷えや寒さ。
しかし、「しもやけ」は状況によってポッポと熱をもつことがあります。
こんなときに、「寒」や「凉」の性質を持ち合わせる、
「熱」や「温」の漢方薬の利点があるのです。
熱中症の漢方薬は、どうでしょう?
暑くて血液がドロドロになっても、
汗をたくさんかいた後は、
からだが冷えてしまうことがあるかもしれません。
だからこそ、「寒」や「凉」の性質の漢方薬の中に、
「熱」や「温」の生薬が少し配合されているほうがよいのです。
「四気」については、いろいろお伝えしたいことがあります。
またの機会に。