毎年この時期にインフルエンザが流行するのは、
原因ウイルスが、低温と乾燥という冬の環境を好むからです。
その一方で今、
ダウンコートなしで過ごせるくらいの温暖な沖縄でも、
インフルエンザの流行がみられるようです。
その度合いはなんと、本州の一部地域より高いとされるのです。
実は、彼の地ではすでに、昨年8月の夏のさなかに、
感染者が確認されていたんだとか。
これは、ちょっと驚きじゃありませんか。
モノゴトには必ず、例外があるという、一例なんでしょうか。
過日、ある専門家がTVで、この例外について問われると、
「よくわかっていないこと」と匙を投げたようなコメントをしていました。
「よくわかっていないこと」とはおそらく、
ミクロレベルの分析をもってしても、
ウイルスそれぞれの型や構造の変化に、
特徴的な差異はみられない、ということなんでしょう。
そこで私なら視点を変え、目の前に見える事実から、こう考えるのです。
沖縄のウイルスは、温暖と多湿という環境下、つまり夏季においても、
増殖できる型のもので、この事実は、本州のウイルスとの大きな違いだ。
沖縄のウイルスの増殖は、沖縄の風土、
沖縄の人の体質・生活習慣などと関係があるのではないか。
本州のウイルスは、夏のような環境下では、ほとんど増殖できない。
こんな視点をミクロレベルの研究にからめて、
ワクチンや治療薬の開発を進めることができたらいいのに。