Aが、「○○○病」に効いた。
だからAは、「○○○病」のすべてに効く。
こうした結論の出し方に間違いがあるのは、誰からの目にも明らかでしょう。
結論に至るまでの過程に、飛躍や思い込みがあってはいけませんね。
まずは、「効いた」というデータの1つひとつを詳細に分析する。
あるいは反対に見方を変えて、効かなかったデータから、それをしてみる。
そうすることで、初めはバラバラにしか見えなかった事実が、
じつはいくつかの異なる束、グループに集約されていることがわかり、
それを法則として、結論が導き出されていくものなのです。
ところが、大きな問題があります。
伝統医学と現代医学の「○○○病」に対する価値観には、
「水に油」のような埋めがたいミゾが横たわっているのです。
検査でも原因のわからない「腹痛」を例に挙げましょう。
現代医学では多くの場合、これを腹痛とすることに変わりありません。
伝統医学では、どうとらえるのか?
同じ腹痛でも、張る、シクシク、刺す、絞られる、冷える、移動する、動かない
・・・などのグループ分けがなされ、
その分類によって、運用する漢方薬は異なるのです。
伝統医学の価値観を押し付けるつもりはありません。
この価値観が絶対的なんだと、言っているわけでもないのです。
ただ、それに沿った価値観を理解して漢方薬を運用すべきだと、言いたいのです。