告白

桜がきれいに散って、新緑のまぶしい季節となりました。

旧聞に属するのですが、私がかぜを引いたときのこと。
漢方薬をのんでいたものの、
しばらくせきだけが残り、てこずったことがありました。

このような告白をするには、少し勇気がいります。
私は漢方を生業とし、常日頃、
せきなどでお困りの方に漢方薬を販売しています。
また、このような症状の改善は、漢方の得意分野です。
それなのに、自分にはてこずってしまったわけですから。

せきによく使う漢方薬は、
エキス剤(粉薬)であれば7~8種類くらいあります。
慢性か急性か、痰や喘鳴の有無、
痰が有るならその形状、のどは渇くか?
こもるような・かすれるような・弱々しいといったせきの性質─などから、
1種類ときに合わせて2種類使います。

ところが、自分の症状を分析する場合、
1つの症状にこだわりすぎたり深読みしすぎたりして、
客観的な判断を下せないことがあります。

感染源が強力だと、治療の時間がかかってしまうのに、
他人にも自分にも即効したケースを経験しているため、
この漢方薬を使ってはダメ、あの漢方薬ではダメ、と結果を急ぎ過ぎ、
堂々巡りをしてしまうきらいがあります。

ただ、負け惜しみではありませんが、
漢方を生業とする以上、治る病気であればときにはそれを患い、
それを自分の糧とすべきだと、思ってはいるのです。